EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド自動車)に付けられる音とはどのようなものか。
実車走行調査での「静音性対策」走行音を、記者の主観で誤解を恐れずに言えば、昭和の怪獣映画に出てきたUFO(未確認飛行物体)の円盤が飛んでくる効果音のようだった。“ぶーん”とうなるような音。自動車メーカーは、これを「インバーター音」(モーター音)と呼んだ。
音色はガソリンエンジンの音より高く、モーター音よりも低い。レシプロエンジンとモーターの中間を思わせる音で、注意深く聞き取れば、明確に聞き分けられる。
試験車両は、HVではトヨタ『プリウス』、EVでは三菱『i-MiEV』、日産の試作車の3台。その3台ともベース音は似ているが、音程や音量に差がある。ガイドラインには音量や音色に明確な数値が記されていないためだ。しかし、豊富な音色のホーン(警笛)に比べれば、静音性対策の走行音の車種別の差は、とてもわずかだ。
音量も、これほどのものかというほど小さい。会場となった尾久自動車学校(東京都小金井市)は、当日は休校で鳥のさえずりが聞こえるほど静かだった。そのため静音性対策車両の音も明確に聞き取れたが、会場横を通過するJR中央線の車両音には簡単にかき消されてしまう。10km/hで走るガソリン車の後ろをついていると、その音色の差で聞き分けることができるが、音量的な差はわずか。ガソリン車が多い道路ではかき消されてしまうかもしれない。
「ガソリン車のアイドリング音は48dBから50dB。静音性対策車両の音は58dB程度」(トヨタ自動車技術統括部予防安全企画グループ・松尾芳明グループ長)という。
静音性対策音は、ガソリン車の走行音のように加減速の状況も想像できるように考えられていた。携帯電話の電子音のように、距離感がつかめないというような不便さもなかった。完全な停止中は音を鳴らさないため、当然だがスイッチを切ったように唐突に音が切れる。これで、改めてモーター音ではなく、わざと付けられた音だと再認識させられるほどよくできた音だ。
10日の実車走行調査と体験会は、今年1月29日に国土交通省自動車交通局が「静音性対策」についてのガイドラインを作成して以来、初めて具体的な対策を施した車両の公開となる。自動車メーカー関係者は「対策済み市販車両取り付けられるものに極めて近い」という。
《レスポンス 中島みなみ》
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